スニーカホリックな人々と漫画「ドロヘドロ」のファッション

どんなものにもマニアやオタクは存在する。メインストリームか外れたマニアアックな人々の趣向は非常に興味深いと思う。

実用性や機能性を満たされるために作られた物が、ある時期から高額な値がつくほど価値がある商品になった。その価値は、マニア集団内部の仲間同士だけが理解できるものだ。

(1985年 AUR JORDAN1 プロバスケットリーグに違反したカラーリング)

特に近年は、新しいスニーカー商品が数多く発売されている。毎年、毎週、毎月数え切れないほど多くのスニーカー商品が各ブランドからリリースされるのを目にする度、スニーカーというプロダクトの魅力や歴史を知りたくなることはないだろうか。

そもそもスニーカーは、イギリスの王ヘンリー13世(1491~1547年)が1571年にそれらしき靴を履いていたという記録から始まる。サンドシューズ、またはプリムソールスと呼ばれ、ヨーロッパ貴族たちが芝生でスポーツする際に着用していたと言われている。

現在ではスタンダードな靴底にゴムを高温接着する技術「ヴァルカナイズ製法」は1839年にアメリカの発明家チャールズ・グッドイヤーが開発したものだ。そうして自転車のタイヤなどゴム製品を使って生産するようになったのがスニーカーの始まりだ。

サブカルチャーと呼ばれる集団には、一般の主流社会では存在しない、通常では考えられない、ありえない価値観、ステータス、規範、基準が存在する場合が多い。意識的にメインストリームに反発する集団であれば、「カウンターカルチャー」とも呼ばれる。

スニーカーカルチャーも形成され始めた当初はカウンターカルチャー的要素を含んでいたそうだ。

「ドロヘドロ」/メインストリームに反発する集団


漫画「ドロヘドロ」のファッションはスニーカーカルチャーを始め、パンクやミリタリーといったメインストリームから逸脱したファッションがある。

特にファッションの中で一番アイコニックなプロダクトとして作中目を引くのがスニーカーだ。80年代に日本で流行したパンクファッションと作中のキャラとファッションにカルチャーが感じられる。

ストーリーはトカゲの頭にされてしまったカイマンが自身の姿と記憶を取り戻すために暴れるという話だ。

陽気な性格と現れる魔法使い達のチートぶり。アンダーグラウンドな世界の中でポップに弱肉強食が描かれている。

(左のシンのシューズは1982年のAIR FOURCE1に似ている)

一見、薄汚くて血なまぐさいストーリーのはずなのだが、キャラクター達は陽気でユーモアがある。

自身は特にサブカルチャーに精通しているわけではない。しかしこの漫画にはサブカルチャーを体現しているように思える。

どの時代でも若者は、様々な方法で社会に反抗し個性を表現し、芸術、映画、ファッション、表現方法など多様なカルチャーを形成してきた。

 (画像左:カイマン)

意図的に、メインストリートとは反対の流れを歩く人間の集まり。ここではアンダーグラウンドな世界で生きるキャラクター達。そして、いかなる時も陽気さと自分らしさをもつ気質とファッション。

メインストリームから外れたキャラ達はその者にしか理解できない。そんなカウンターカルチャーがこの漫画「ドロヘドロ」にはあると思った。

大衆向けでないものは、とてもパーソナルで自負と優越感がある。作中のキャラ達にがリアル(現実)だったとしたら……どうだろうか?

彼らは主流階級(魔法使い)に対する不満や反発的なメッセージを送り、スラングと力で生きている。